とりかえっこ--クラウス考その2--
リュカ、リュカ。ぼくととりかえっこしようよ。
きみのほうが・・・きみのほうが・・・


タネヒネリの幻覚中に出会うクラウスのセリフです。
この言葉からすると、クラウスはリュカを羨む気持ちを抱いていたようです。

(厳密には、これはおそらくリュカの幻覚なので、リュカが『クラウスは自分ととりかえっこしたいと思っている』と感じていた、ということになるのでしょうね。でもリュカとクラウスとがとても仲のよい双子であることと、リュカの感性が鋭そうであることから、これは実際のクラウスの気持ちである、ということにしておきます。)

リュカは泣き虫で、クラウスは元気いっぱいだから、ヒナワの手はリュカに多くかけられる。
ヒナワ自身は二人とも同じように愛していたに違いないけれど、それを実感する機会に多く恵まれたのはリュカの方だったろうと思います。

だとすると、クラウスにとってリュカは、最高に好きだけれど、ほんの少しどこかに引っ掛かりがあって、でもやっぱり好き!という存在だったのではないでしょうか。

だから、クラウスの最後の「ごめんな」には、ポーキーに操られてリュカを攻撃してごめんな、という意味だけではなく、そういう複雑な感情をリュカに抱いていたことに対して『ごめんな』という意味も込められていたかもしれないなあ、などと、私は思いました。

そうして、『また会えるよな』、また会った時には、まっすぐな心で向かい合えるよな、と・・・。

そんなことをぼーっと想像していたので、最後、どうしてもヒナワにクラウスを抱きしめてもらいたかった。
そして、クラウスに体温を取り戻させ、ヒナワの胸で、温かな涙を流させてやりたかった。

そんな思いから、私はエンディング後のSS「生ける者はその命を」を書きました。
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